2026.10.08
新規事業の営業は何から始める?最初の3ヶ月で検証したい5つのポイント
「新しいサービスはできたけれど、誰に営業すればよいか分からない」「アプローチを始めたものの、今のやり方で続けてよいのか判断できない」。新規事業の営業で、このような悩みはありませんか。
新規事業の立ち上げでは、営業先、伝え方、価格、導入条件など、まだ確かめられていないことが多くあります。その状態で営業件数だけを増やしても、何が良くて、何を変えるべきかが分からなくなりがちです。
まず取り組みたいのは、「誰に、どのような価値が伝わり、どの条件で検討が進むのか」を確かめることです。
この記事では、法人向けの新規事業について、最初の3ヶ月を営業検証の一区切りとした進め方をご紹介します。3ヶ月で必ず受注できるという意味ではなく、次の営業方針を判断するための期間として考えてみてください。
この記事は、こんな方におすすめです
- 新しいサービスの営業を、何から始めるべきか悩んでいる方
- 既存顧客以外への販路を開拓したい方
- 営業活動の反応を、事業改善に生かしたい方
- 営業代行や営業支援を活用して、市場の反応を確かめたい方
1.最初から営業先を広げすぎない
「幅広い業界で使えるサービスだから、まずは多くの企業に案内したい」。そう考えることもあると思います。
ただし、業界や担当部署が大きく異なる相手に、同じ説明でアプローチすると、反応が良かった理由も悪かった理由も比較しにくくなります。
最初は、自社サービスが役立ちそうな顧客層をいくつか設定し、優先順位をつけましょう。
- 課題:どのような困りごとを持つ相手に役立つか
- 利用場面:どの業務や場面で使われるか
- 組織の特徴:業種、規模、拠点数、運用体制などに条件はあるか
- 担当部署:誰が課題を把握し、検討を始める立場にあるか
- 導入のきっかけ:どのような変化があると必要性が高まるか
例えば、業務管理サービスなら「すべての企業」ではなく、「複数拠点で情報を共有し、現在は表計算ソフトで管理している企業」のように、利用状況まで具体化します。
営業リストには、企業名や電話番号に加えて、「なぜこの企業に提案するのか」を記載しておくと、アプローチの理由を整理しやすくなります。
検証のポイント
最初に決めた営業先は、あくまで仮説です。実際の会話で得た情報をもとに、優先する顧客層や担当部署を見直していきましょう。
2.商品説明だけでなく、相手の反応を集める
新規事業の営業では、自社サービスの魅力を伝えることと同じくらい、相手の現状を知ることが大切です。
機能を説明して「興味はありますか」と聞くだけでは、何に関心を持ったのか、実際に導入できそうなのかまでは分かりません。
電話や商談では、次のような質問を通じて、提案の前提を確認します。
確認したい質問の例
- 「現在、この業務はどのような方法で対応されていますか?」
- 「時間や手間がかかっている部分はありますか?」
- 「今の方法で、十分に対応できている点はどこでしょうか?」
- 「変更するとしたら、どのような条件が必要になりますか?」
- 「今回のご案内で、特に気になった点はございますか?」
ここで大切なのは、相手に課題があると決めつけないことです。既存の方法で十分に対応できているなら、その理由も営業先を見直す材料になります。
また、「便利そう」という反応と、「費用や運用を確認して検討したい」という反応は分けて記録しましょう。
相手の言葉と、自社の解釈を分けて残すことで、事業の見込みを過大評価しにくくなります。
3.アポイント数だけで成果を判断しない
営業検証では、架電数やアポイント数も必要な情報です。ただし、それだけでは受注に近づいているかを判断できません。
担当者との接点ができた後に、どのような行動が起きたかを確認しましょう。
| 確認する項目 | 判断に使う視点 |
|---|---|
| 担当者との会話 | 想定した部署につながり、関係する課題を確認できているか |
| 初回商談 | 情報収集なのか、具体的な導入検討なのか |
| 二次商談・関係者への紹介 | 必要な関係者を交えた検討に進んでいるか |
| 見積・試用などの依頼 | 依頼の目的、確認事項、判断時期が明確か |
| 導入条件の確認 | 費用、運用、時期など、検討を進める条件が分かっているか |
見積依頼があっても、予算の参考資料として求められている場合があります。依頼があったという事実に加えて、その目的を確認してください。
数値を比較するときは、集計方法もそろえます。例えばアポイント率は、架電件数を分母にするのか、担当者との会話件数を分母にするのかで変わります。
件数・率・実際の会話内容を合わせて見ることで、どこを改善するべきかが分かりやすくなります。
4.断られた理由から、営業と提案を改善する
営業を始めると、「必要ない」「予算がない」「今は難しい」といった回答もあります。
これらを一括して「反応が悪い」と扱うと、営業先を変えるべきなのか、提案内容を変えるべきなのかが分かりません。
- 対象が合っていない:顧客層や担当部署を見直す
- 必要性が低い:課題が大きい顧客層や、必要になる場面を探す
- 価値が伝わっていない:利用場面、効果、既存方法との違いを具体化する
- 費用が合わない:予算との関係や、提案範囲、費用対効果を確認する
- 運用に不安がある:導入準備、担当者の負担、支援内容を整理する
- 時期が合わない:検討できる時期や、再連絡の可否を確認する
返信がない場合は、理由が分からない状態です。価格や関心の低さが原因だと、推測で決めつけないようにしましょう。
また、改善するときに営業先、説明、価格を同時に大きく変えると、何が反応に影響したか分かりにくくなります。
まずは担当部署を変える、次に説明の切り口を変えるなど、変更点と結果を記録しながら進めることが大切です。
5.3ヶ月の結果から、次の営業方針を決める
検証期間の終わりには、結果をまとめて、次の取り組みを決めます。
判断は「受注できたから継続」「受注できなかったから終了」の二択とは限りません。
- 特定の顧客層で検討が進んでいる:その顧客層に営業を集中する
- 課題は確認できたが、提案が合っていない:提供内容や伝え方を見直す
- 関心はあるが、導入条件が不明:条件を確認する検証を続ける
- 対象部署に十分つながっていない:窓口や連絡方法を見直す
- 必要性が確認できず、改善の根拠も乏しい:対象市場や事業の前提を再検討する
営業にかかった費用や時間も、合わせて整理します。外注費だけでなく、自社の商談準備、提案、フォローに使った工数を把握すると、今後の営業体制を考えやすくなります。
少数の商談や受注だけで、市場全体の見込みを断定しないことも重要です。確認できたこと、まだ分からないこと、次に確かめることを分けて判断しましょう。
最初の3ヶ月の進め方
ここからは、営業検証を3ヶ月で進める場合の一例をご紹介します。サービスの単価や検討期間、営業に使える時間に合わせて調整してください。
1ヶ月目:営業先と課題の仮説を確かめる
優先する顧客層と担当部署を決め、営業リスト、説明資料、トークスクリプトを用意します。アプローチを始めたら、現状の対応方法や反応を記録します。
この段階では、アポイント数に加えて「想定した相手に届いているか」「提案の前提となる課題があるか」を確認します。
2ヶ月目:反応をもとに、営業先と提案を改善する
顧客層ごとの反応を比較し、検討につながりやすい相手を優先します。関心を持たれた内容や、導入上の懸念を資料・スクリプトに反映しましょう。
初回商談だけでなく、二次商談や関係者への説明につながっているかも確認します。次の対応と担当者を決め、フォローの漏れを防ぎます。
3ヶ月目:案件の進展と営業コストを整理する
進行中の案件について、導入条件、残っている確認事項、次の行動、判断時期を整理します。見送りになった案件も、確認できた理由を振り返ります。
そのうえで、営業を集中する顧客層、改善する提案内容、継続して確かめる事項を決めましょう。
3ヶ月後に残したいもの
- 優先する顧客層と、その理由
- 確認できた担当部署・検討の流れ
- 相手の反応を反映した資料・トークスクリプト
- 進行中の案件と、次の対応一覧
- 見送り理由と改善事項
- 営業にかかった費用・時間
- 次の期間で検証する内容
学校・自治体向け事業で確認したいこと
学校や自治体向けのサービスでは、担当者が関心を持っても、校内・庁内での確認、予算検討、契約手続きなどが必要になる場合があります。
そのため、短期間の受注件数だけでは、営業活動の進展を捉えきれないことがあります。
例えば、次のような情報が得られれば、次の提案や営業判断に使えます。
- サービスに関係する担当部署や担当業務
- 現状の課題と、既存の対応方法
- 関係者に説明するために必要な資料
- 予算検討や導入判断を行う時期
- 試用や小規模導入を検討する場合の条件
- 契約手続きについて確認すべき窓口や事項
ただし、情報が集まったことと、受注見込みが高いことは同じではありません。担当者の関心に加えて、関係者への説明や具体的な条件確認など、次の行動が進んでいるかを見てください。
検討の流れは組織や案件によって異なります。一般的なイメージで決めつけず、相手に確認しながら営業計画を調整しましょう。
学校営業の窓口については、こちらの記事でも解説しています。
学校営業は誰に電話すべき?サービス別の担当部署と窓口の探し方を解説
新規事業の営業を、実行と改善の両面から進める
新規事業の営業では、最初からすべての答えがそろっているわけではありません。
誰に提案するかを考え、実際にアプローチし、相手の反応から営業先や提案を改善する。その積み重ねによって、自社に合う営業方法を具体化していきます。
営業代行を活用する場合も、件数の目標だけでなく、何を検証し、どの情報を集め、いつ改善するかを共有しておくことが大切です。
株式会社Liansでは、新規事業の営業先選定、担当部署の整理、トークスクリプトの設計、アポイント獲得、商談、継続フォローなどを支援しています。実際の営業活動で得た情報をもとに、提案や進め方の改善も行います。
「何から始めればよいか分からない」「今の営業方法で続けるべきか判断したい」。まずは、サービス内容と現在の営業状況を整理するところからご相談ください。
新規事業の「誰に、どう売るか」を整理しませんか?
営業先の選定から、アプローチ、商談、改善まで。
最初の営業検証について、30分の無料相談でお伺いします。
オンライン対応・相談無料・秘密厳守