2026.10.28
営業担当を採用する?営業代行に任せる?自社に合う営業体制の選び方
「新規開拓を強化したいけれど、営業担当者を採用するべきか、営業代行に任せるべきか」。営業体制を見直すとき、このように悩むことはありませんか。
社内に営業担当者がいれば、自社の商品や顧客への理解を深めながら、継続して営業活動を進められます。一方、営業代行には、必要な業務を外部に依頼し、社内だけでは手が回らない活動を補う方法があります。
どちらが合うかは、事業の段階、任せたい業務、社内の育成・管理体制によって変わります。
大切なのは、「人を増やすか」を考える前に、どの営業活動を、どのような体制で進めたいかを整理することです。
この記事では、営業担当者の採用と営業代行を比較するときのポイントと、両方を組み合わせる営業体制の考え方を解説します。
この記事は、こんな方におすすめです
- 営業担当者の採用と営業代行で迷っている経営者の方
- 代表者が営業を兼務し、新規開拓まで手が回っていない方
- 新規事業の営業体制を、これから作りたい方
- 社内の営業担当者と外部パートナーの役割を整理したい方
1.まずは、増やしたい営業活動を整理する
「営業の人手が足りない」と感じていても、不足している業務は企業によって異なります。
営業先を調べる時間がないのか、電話やメールによる新規開拓が止まっているのか、商談後の提案に時間がかかっているのか。まずは、現在の営業を工程ごとに分けてみましょう。
- 営業設計:ターゲット選定、提案内容、営業方法の検討
- 接点づくり:リスト作成、電話・メールなどによるアプローチ
- 商談:現状のヒアリング、概要説明、導入条件の確認
- 個別提案:提案資料、見積、専門的な質問への回答
- 継続対応:検討状況の確認、既存顧客の支援、追加提案
例えば、商談を担当できる人はいるものの、日々の顧客対応で新規開拓が止まっている場合は、接点づくりを補う方法が考えられます。
一方、顧客ごとに詳しい商品説明や提案が必要で、その役割を継続して担う人がいない場合は、社内の担当体制も含めた検討が必要です。
どの工程に、毎月どのくらいの仕事があるかを整理すると、必要な人材や外注範囲を考えやすくなります。
2.営業担当者を採用して、社内で担う場合
営業担当者を採用する方法は、商品理解や顧客との関係を社内に蓄積しながら、継続的に営業活動を進めたい場合に検討できます。
特に、商品開発やサービス提供の部門と連携する機会が多い営業では、社内で情報を共有しながら動ける体制が重要になります。
採用を検討しやすい状況
- 継続して任せたい営業業務がある
- 商品や業界について、深い理解を育てたい
- 長期的な顧客関係を社内で引き継いでいきたい
- 営業と開発・運用など、社内部門の連携が多い
- 育成や営業管理を担当できる人がいる
ただし、採用できたことと、営業活動がすぐに安定することは同じではありません。商品理解、営業先の選定、提案方法の習得など、立ち上がりに必要な準備があります。
「経験者なら任せられる」と考える前に
営業経験者でも、扱う商品、顧客層、単価、検討期間が変われば、必要な知識や進め方は異なります。
入社後に何を任せ、誰が教え、どのような情報を使って営業するかを整理しておきましょう。
- 既存の営業資料、料金表、導入事例はあるか
- 優先する営業先と担当部署が分かっているか
- 同行や商談の振り返りを行えるか
- 質問への回答や、提案内容の判断を誰が担うか
- 活動と商談の状況を共有する仕組みがあるか
営業方法が未整理の場合は、その設計まで担う人材を採用するのか、別途支援を受けるのかも検討します。
3.営業代行を活用する場合
営業代行は、社内で不足している業務を補ったり、新しい営業先や提案方法を検証したりする際の選択肢です。
対応範囲は支援会社によって異なり、電話によるアポイント獲得を中心とする場合もあれば、営業設計、商談、資料送付、継続フォローまで支援する場合もあります。
営業代行を検討しやすい状況
- 新規開拓など、任せたい工程を整理できる
- 社内の担当者が、商談や判断に対応できる
- 新しい顧客層への営業を、期間を区切って検証したい
- 活動量に波があり、業務配分を調整したい
- 特定の業界や営業方法に関する支援を受けたい
一方で、依頼すれば準備や管理がすべて不要になるわけではありません。商品情報の共有、質問への回答、条件の判断、商談結果の連携など、自社にも役割が残ります。
契約後には、商品理解、対象先の確認、スクリプトの調整などが必要です。開始までの準備や、実際に対応する担当者の体制も確認しましょう。
社内に残す情報を決めておく
外部の活動で得た情報を、自社でも使える状態にすることが大切です。
- 営業先と担当部署の情報
- 相手の課題、関心、見送り理由
- 商談内容と、次の対応
- 改善したスクリプトや提案資料
リストや記録の共有方法、作成物を利用できる範囲、契約終了時の引き継ぎも、依頼前に確認します。
外注範囲については、こちらの記事でも解説しています。
テレアポ代行だけで十分?商談・フォローまで営業を外注する範囲の決め方
4.費用は、同じ業務範囲と期間で比較する
採用と営業代行を比較するとき、給与と月額委託費だけを並べると、判断に必要な情報が不足する場合があります。
どの業務を、どの程度の時間と体制で行うかをそろえたうえで、関連する費用や社内の対応時間も確認しましょう。
| 比較する項目 | 採用して担う場合 | 営業代行を活用する場合 |
|---|---|---|
| 開始に向けた費用 | 求人、選考、紹介サービスなど、利用する採用方法に伴う費用 | 初期設計、リスト、資料準備など、見積に含まれる費用 |
| 継続的な費用 | 給与などの人件費、営業に必要なツールや活動費 | 委託費、成果に応じた費用、追加業務やツールなどの費用 |
| 社内の対応時間 | 選考、育成、同行、営業管理、提案内容の確認 | 商品説明、定例会議、質問への回答、商談や提案の対応 |
| 実際に担う業務 | 新規開拓、商談、既存対応など、職務として割り当てる範囲 | 契約した業務、活動時間、対応条件の範囲 |
例えば、社内の営業担当者が新規開拓と既存顧客対応の両方を担う場合、その人件費全体を、アポイント獲得だけの委託費と単純に比較することはできません。
また、外部への委託時間が同じでも、リスト作成や商談を含めれば、新規アプローチに使える時間は変わります。
同じ期間に、誰がどこまで対応できるかを並べて、目指す成果と合わせて考えましょう。
開始後は、想定した活動が行えているか、商談が進んでいるか、社内の負担がどう変わったかを確認します。
5.採用と外注を組み合わせる営業体制
採用と営業代行は、組み合わせることもできます。社内で継続して担いたい業務と、外部の力を借りたい業務を分けて考えましょう。
| 体制の例 | 外部が担う業務 | 社内が担う業務 |
|---|---|---|
| 新規接点を補う | 営業先の調査、アプローチ、面談設定 | 商談、個別提案、契約判断、顧客対応 |
| 初回ヒアリングまで分担する | アプローチ、初回商談、課題や条件の整理 | 専門的な説明、見積、重要商談 |
| 営業方法の整備を支援する | ターゲット検証、スクリプト・資料の改善、活動の振り返り | 顧客との対応、商品判断、社内への運用定着 |
採用した担当者が商品理解や既存顧客の引き継ぎを進める間、新規開拓の一部を外部に依頼する方法も考えられます。
その場合も、採用後にどの業務を社内へ移すか、継続して外部に任せるかを決め、情報を引き継げる状態にしておきます。
役割の間に、対応の抜けを作らない
例えば、外部がアポイントを獲得し、社内が商談を行う体制でも、資料送付や日程変更、商談後の連絡が誰の担当か曖昧になる場合があります。
案件ごとに、次の対応、担当者、期限を共有しましょう。社内で行った商談の結果を外部へ戻すことも、営業先や伝え方の改善に役立ちます。
事業の段階に合わせて体制を考える
営業先や提案方法が、まだ固まっていない段階
新規事業などで、誰に何が響くかが分からない場合は、営業の実行と同時に、対象や提案を検証する必要があります。
採用するなら、営業方法の設計まで担う役割が必要かを確認します。外部に依頼するなら、市場の反応を集め、改善するところまで対応できるかを確認しましょう。
この段階では、アポイント件数に加えて、担当部署、課題、導入条件、見送り理由などを残すことが重要です。
提案先と営業方法が見えてきた段階
反応の良い顧客層や提案方法が分かってきたら、活動を継続できる体制を考えます。
社内で担いたい顧客対応や専門提案を整理し、採用・育成を進める方法もあれば、外部との分担を継続する方法もあります。
その際は、必要な活動量と、商談・提案に対応できる件数を合わせて確認してください。
学校・自治体など、新しい領域へ広げる段階
既存の営業体制があっても、新しい領域では、担当窓口や検討の流れを調べ直す必要がある場合があります。
例えば学校・自治体向けの提案では、利用する担当者、予算を検討する窓口、契約に関する確認先が異なることがあります。
領域の知識を持つ担当者を採用するか、外部の支援を受けるか、社内担当者と組み合わせるかを検討しましょう。肩書きや経験年数だけでなく、任せたい業務と経験の関連性を確認することが大切です。
営業体制を決める前のチェックリスト
- 営業のどの工程に、人手や知識が不足しているか
- その業務は、継続的にどの程度発生するか
- 営業先と提案方法は、どこまで整理できているか
- 社内に育成・管理・判断を担う人がいるか
- 商談や個別提案に対応できる時間を確保できるか
- 採用費や委託費に加え、社内の対応時間を比較しているか
- 顧客情報や営業方法を、どのように社内へ蓄積するか
- いつ、何を確認して体制の継続・変更を判断するか
すべての項目に答えが出ていなくても構いません。分からない部分を明確にすることで、採用要件や外部への相談内容を具体化できます。
営業代行への依頼前に整理したいことは、こちらの記事でも解説しています。
営業代行に丸投げしても成果が出ない?依頼前に整理したい5つのこと
営業活動の評価については、こちらもご覧ください。
営業代行の成果はアポ数だけで判断していい?報告書で確認したい5つのポイント
自社に必要な営業体制を、一緒に整理する
営業担当者の採用と営業代行には、それぞれの役割があります。
自社で継続して担いたい業務、外部の支援を受けたい業務、これから検証したいことを分けると、必要な営業体制が見えてきます。
採用した場合も外注した場合も、実際の活動と商談の進展を確認し、業務の配分や進め方を見直していくことが大切です。
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