2026.7.23
自治体営業はいつから始める?予算化・入札・随意契約までの年間スケジュールを解説
「自治体に自社サービスを導入してもらいたいが、どの部署へ連絡すればよいか分からない」
「自治体へ提案したものの、予算がないと言われて終わってしまった」
「入札情報を確認しているが、自社が参加できる案件が見つからない」
自治体への販路開拓を検討している企業から、このようなご相談を多くいただきます。
自治体営業は、一般企業への法人営業とは進め方が異なります。商品やサービスの魅力だけでなく、自治体の予算編成、庁内調整、調達方法、議会のスケジュールまで考えた営業設計が必要です。
本記事では、自治体営業未経験の企業を支援し、随意契約・指名競争入札・一般競争入札を含む自治体契約15件の獲得につなげてきた株式会社Liansが、自治体営業の年間スケジュールと成果につなげるポイントを解説します。
この記事で分かること
- 自治体営業を始めるべき時期
- 自治体の予算編成と契約までの流れ
- 担当課を見つける方法
- 自治体営業でよくある失敗
- 予算化・契約につなげる提案方法
自治体営業は「入札が出てから」では遅い
自治体との契約というと、入札情報を探すことから始める企業が少なくありません。
しかし、公開された入札案件には、すでに仕様書、予算、実施時期、参加条件などが設定されています。
その段階から営業を始めても、自社サービスの特徴を仕様書へ反映してもらったり、自社が提案しやすい条件を整えたりすることは難しくなります。
自治体営業で重要なのは、案件が公開される前から担当課へ情報提供し、自治体が抱えている課題や翌年度の検討方針を把握することです。
基本的には、次のような流れで進めます。
- 自治体の課題や計画を調査する
- サービスに関係する担当課を特定する
- 担当者へ情報提供し、現状をヒアリングする
- サービスの必要性と導入効果を整理する
- 概算見積書や提案資料を提出する
- 実証実験や小規模導入を提案する
- 翌年度予算への計上を支援する
- 入札・プロポーザル・随意契約に対応する
自治体営業は、単に「公開された案件を探す営業」ではありません。
案件化される前から自治体の課題解決を支援し、担当者から相談される関係をつくる営業と考えることが重要です。
自治体営業の年間スケジュール
具体的な時期は自治体によって異なりますが、一般的には次のような流れで予算編成や調達準備が進みます。
| 時期 | 自治体内部の主な動き | 企業側が行う営業活動 |
|---|---|---|
| 4月~6月 | 新年度事業の開始、現状把握、課題整理 | 自治体・担当課の調査、情報提供、ヒアリング |
| 7月~9月 | 翌年度事業や予算要求の検討 | 具体的な提案、概算見積、導入効果の提示 |
| 10月~12月 | 予算査定、財政課との調整、事業内容の精査 | 追加資料の提出、費用対効果や必要性の説明 |
| 1月~3月 | 予算案公表、議会審議、契約・調達準備 | 公募情報の確認、入札・プロポーザルの準備 |
例えば滋賀県では、令和8年度予算編成方針が2025年9月に公表され、令和8年度当初予算案が2026年2月に公表されています。
自治体ごとに差はありますが、翌年度の導入を目指す場合は、遅くとも夏頃までに担当課との接点をつくり、予算要求前にサービスの必要性や概算費用を伝えることが一つの目安です。
参考:滋賀県「令和8年度予算編成方針」、滋賀県「令和8年度当初予算案の概要」
自治体営業を成功させる5つのポイント
1.サービスに合った担当課を見極める
自治体には多くの部署があり、同じサービスでも解決する課題によって担当課が変わります。
例えば、職員向けストレスチェックなら人事課や職員課、観光サービスなら観光課や商工振興課、学校向けサービスなら教育委員会が主な候補です。
ただし、自治体によって部署名や担当範囲が異なるため、代表電話へ連絡する前に、自治体ホームページで次の情報を確認しましょう。
- 組織図・部署一覧
- 総合計画・基本計画
- 現在実施している関連事業
- 過去の入札・プロポーザル情報
- 予算書・事業概要
- 議会会議録
サービスの説明から入るのではなく、「どの部署が、どの課題を担当しているのか」を整理してからアプローチすることが重要です。
2.商品説明より先に自治体の課題を聞く
自治体担当者へ一方的にサービスを説明しても、導入にはつながりにくい傾向があります。
まずは、次のような項目を確認します。
- 現在どのような取り組みを行っているか
- 現場でどのような負担や課題があるか
- 現在の委託先や運用方法
- サービスの対象となる人数や施設数
- 次年度に向けた検討方針
- 導入を検討する場合の庁内手続き
ヒアリングした内容をもとに、自治体ごとに提案内容や訴求ポイントを調整しましょう。
3.概算費用と導入効果を早めに提示する
自治体が翌年度予算を検討するためには、事業内容だけでなく概算費用が必要です。
次の項目を整理した見積書を早めに提出しましょう。
- 初期費用
- 月額・年額費用
- 対象人数や施設数による料金変動
- 導入支援や研修費用
- オプション費用
- 契約期間
また、「便利になります」という説明だけでは、庁内で事業の必要性を説明できません。
業務時間の削減、職員負担の軽減、利用率の向上、住民サービスの改善など、可能な限り数値を使って導入効果を示すことがポイントです。
4.小規模な実証実験を提案する
全庁導入や全施設への導入は、自治体にとって大きな判断になります。
一度に本格導入することが難しい場合は、一部部署・一部施設・一部学校などを対象とした実証実験を提案する方法があります。
実証実験を行う場合は、次のような検証項目を事前に設定します。
- サービスの利用率
- 業務削減時間
- 職員や利用者の満足度
- 導入前後の変化
- 本格導入時に改善すべき点
実証結果を数値やアンケートで整理することで、本格導入に向けた庁内説明や予算要求がしやすくなります。
5.入札以外の契約方法も理解する
自治体との契約には、一般競争入札だけでなく、指名競争入札、企画競争・プロポーザル、随意契約などがあります。
どの方法が採用されるかは、契約金額、業務内容、専門性、競争性、自治体の契約規則などによって異なります。
最初から「随意契約で導入してもらおう」「入札に参加すれば契約できる」と決めつけず、担当者との対話を通じて現実的な契約方法を確認することが大切です。
自治体営業でよくある失敗
自治体営業では、次のような失敗が多く見られます。
- 入札情報が公開されるまで営業しない
- 担当部署を調べず、代表電話へ一斉に連絡する
- サービスの説明だけで終わり、自治体の課題を聞いていない
- 自治体ごとに提案内容を変えていない
- 概算見積や導入効果を提示できない
- 担当者との面談後、予算化までのフォローができていない
- 一度断られただけで継続提案を止めてしまう
自治体営業は、短期間で契約を迫る営業ではありません。
担当者が上司や財政担当部署へ事業の必要性を説明し、庁内で予算や契約手続きを進められるように支援することが、契約への近道です。
自治体営業は中長期で関係をつくることが重要
自治体では、担当者がサービスに関心を持っても、すぐに契約できるとは限りません。
当年度の予算がない場合や、庁内調整に時間がかかる場合、翌年度以降の検討になることもあります。
初回提案後は、次のような情報を継続的に提供しましょう。
- 他自治体や民間企業での導入事例
- サービスの改善・新機能
- 導入効果やアンケート結果
- 補助金・交付金などの関連情報
- 次年度予算に向けた概算見積
すぐに契約にならなかった自治体も見込み顧客として管理し、適切な時期にフォローする営業体制が必要です。
株式会社Liansの自治体営業支援
株式会社Liansでは、自治体市場へ新規参入したい企業様に対して、営業戦略の設計から新規開拓、商談、予算化に向けたフォローまで一貫して支援しています。
- 自治体市場・競合サービスの調査
- 対象自治体・担当部署の選定
- 自治体営業リストの作成
- トークスクリプトの設計
- 自治体へのアポイント獲得
- 提案資料・概算見積の改善
- 商談・ヒアリング支援
- 実証実験の設計
- 入札・プロポーザルに向けた営業設計
- 翌年度の予算化に向けた継続フォロー
これまで自治体営業未経験の企業様を支援し、随意契約・指名競争入札・一般競争入札を含む自治体契約15件の獲得につなげてきました。
単にアポイントを獲得するだけでなく、自治体ごとの予算時期や意思決定プロセスを踏まえ、継続的に案件を生み出せる営業体制の構築を支援しています。
自治体営業に関するよくある質問
自治体営業はいつから始めるべきですか?
翌年度の導入を目指す場合は、4月から6月頃に調査・情報提供を始め、夏頃までに担当課との接点をつくることが一つの目安です。ただし、自治体や事業によって予算編成時期が異なるため、対象自治体ごとの確認が必要です。
自治体営業の経験がなくても参入できますか?
参入可能です。ただし、一般企業向けの営業方法をそのまま使うのではなく、自治体の担当部署、予算編成、契約方法、意思決定プロセスに合わせた営業設計が必要です。
まだ自治体での導入実績がなくても提案できますか?
提案できます。民間企業での導入実績や数値データを提示したうえで、一部部署や一部施設での実証実験から始める方法が考えられます。
自治体へのテレアポだけでも依頼できますか?
株式会社Liansでは、自治体リストの作成、担当部署の調査、トークスクリプトの作成、アポイント獲得など、必要な範囲に合わせた支援が可能です。営業戦略から商談後のフォローまで一括した支援にも対応しています。
自治体営業のお悩みを30分で整理します
「自社サービスが自治体に提案できるか知りたい」
「どの自治体・部署を狙えばよいか分からない」
「提案しているが、予算化や契約につながらない」
このようなお悩みがございましたら、株式会社Liansへご相談ください。
初回相談では、貴社サービスと自治体市場との相性、狙うべき担当部署、今後の営業スケジュールを整理します。
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まとめ
自治体営業では、入札情報が公開されてから動くのではなく、予算編成前から担当課へ情報提供することが重要です。
自治体の課題、担当部署、予算時期、契約方法を調査し、担当者が庁内で説明しやすい提案資料や概算見積を準備しましょう。
自治体営業は契約まで時間がかかることもありますが、適切な時期に継続提案することで、単発の契約だけでなく翌年度以降の継続契約にもつながります。
株式会社Liansでは、自治体営業の戦略設計から営業リスト作成、アポイント獲得、商談、予算化に向けたフォローまで対応しています。自治体市場への参入や営業方法でお悩みの企業様は、お気軽にご相談ください。